ジャズおすすめ 1曲目 ソニー・ロリンズ/セント・トーマス
人生で初めてジャズを聴こうと思って聴いた曲はソニー・ロリンズのセント・トーマス。
この曲はコンピレーションアルバムのNOW JAZZ(廃盤)の1曲目にあたります。
ジャズに興味はあったものの何から聴けば良いのか分からず、当時はインターネットもなかった時代でしたし、周りにも詳しい人がいなかったためコンピレーションをとりあえず買ってみたというわけです。
初めて聴いた時は「思ってたのと違うな」という感想でした。というのもジャズを聴こうとしたのは、バーでバーボンのロックを片手に物思いにふける時に流れているムーディーな音楽をイメージしていたのですが(注:当時高校生)、だいぶ明るくて賑やかでドラムとは違う民族楽器がトントコ鳴っていたからでした。
時は流れて大学生になってジャズの名盤を紹介した新書を読む機会があって最初に紹介されていたのがこのセント・トーマスでした。
ずいぶんと丁寧に解説してくれている本で、何分何秒からこんな音が聴こえてきて、そのあとアドリブを探るようなソニー・ロリンズのテナーサックス、そして炸裂するアドリブ、最後はテーマに戻っておしまいと、まさに取り扱い説明書といっても過言ではない内容でした。
だいぶ間が空いたこともあってもう一度本の解説を読みながら聴くと非常に理解が深まり「なるほどこう聴けばいいのか」という感覚をようやくつかむことができたと思います。
これをきっかけにジャズにはある程度「型」があってテーマ→ソロパート(楽器ごとにアドリブ)→テーマに沿って進行すること、アドリブが醍醐味で一回限りの演奏になることが分かり楽しみが増えました。
その後色んな曲を聴くことになるわけですが比べてみて思うのはセント・トーマスは型がハッキリしていて分かりやすいということでした。
コンピレーションアルバムの第1曲目に置かれるのも納得です。
オシャレな曲や名盤と言われるアルバムは他にもたくさんありますがまずはこの曲から入るのが良いと思います。