ジャズおすすめ 2曲目 モダン・ジャズ・カルテット/ジャンゴ
ジャズおすすめの2曲目は、モダン・ジャズ・カルテットのジャンゴです。
この曲はアルバム「ジャンゴ(Django)」の表題曲となっています。また、ジャズおすすめ 1曲目でも紹介したコンピレーションアルバムのNOW JAZZ(廃盤)にも収録されています。
知識ゼロの時に初めて聴いた感想は「聴きやすいおしゃれなジャズ」というものでした。この聴きやすさとおしゃれ感を分解してみたいと思います。
1.聴きやすさ
ジャズの基本的な構成は、テーマ→ソロパート(アドリブ)→テーマで構成されることがほとんどなわけですが、アドリブの自由度が高すぎると「いったい自分は何を聴かされているのだろうか?」と迷子になってしまいます。
この点、この曲はアドリブにおいてもテーマに忠実というか重視した構成になっていて「ああ、さっき聞いたパートをアレンジしているんだな」と安心して聴くことができます。
いろんな曲を聴いていくと若干アドリブに物足りなさを感じるかもしれませんが、他のプレイヤーの演奏を聴くと何かが違う。下記2.とも関連しますがおそらくアドリブのメロディアスさが図抜けているからではないでしょうか。
さしずめ安定感のある定番メニューになるかと思います。だから名曲なわけですが。
2.おしゃれ感
モダン・ジャズ・カルテットといえば特徴的なのは、ミルト・ジャクソンの演奏するビブラフォン(ヴァイブラフォンともいいます)。
ビブラフォンの詳細な説明は割愛しますが、「ぽわ~ん」といったやわらかい鉄琴の音色がします。
ジャズというとアルトサックス、トランペット、ピアノのイメージが強かった自分にとってビブラフォンの奏でる音は非常に新鮮でした。ありていに言えば「都会的の夜は、そうこんなイメージだよね!」に尽きると思います。
このビブラフォンにくわえて、ジョン・ルイスが演奏するピアノがまたおしゃれ感を引きあげて洗練された音楽に仕上がっています。
最初のころはビブラフォンの珍しさにくぎ付けになりますが、何回か聞いているうちにピアノが実にクールでそしてメロディアスなことに気づき今度はピアノにくぎ付けになり二度おいしい曲といえると思います。
後から調べたところでは、ジョン・ルイスがギタリストであるジャンゴ・ラインハルトを悼み捧げた曲とのことで、哀愁をおびたテーマになっているのも納得でした。
哀愁さとビブラフォンとピアノとが相まって聴く人を惹きつけて止まない曲に仕上がっています。